ワークスタイル

代表取締役 森本英嗣

会社を継いで祖父に恩返しを

当社の創業者は、私の祖父です。その後、長く社長を務めていました。父も会社で一緒に働いており、祖父と父は家に帰ってからも、仕事のことでよく議論をしていました。私は幼いながらに、「会社の経営って厳しい世界なんだ」と感じていました。
しかし、父は私が小学生の時から闘病生活を送り、大学生の時に帰らぬ人となりました。そのため幼いころから、祖父母が親のように私を育ててくれました。特に祖父は、家でも会社でも厳しい人でしたから、私が将来困らないようにと「挨拶をしろ、行儀良くしろ」とよく言われたものです。一方で、当時はお正月に社員を家に招いて和気あいあいと楽しく過ごした思い出もあります。 私は、父が亡くなる前に「自分の好きなことをしなさい」と言っていたこともあり、大学でITを学び札幌でシステムエンジニアをしていました。しかし27歳のころ、祖父から「そろそろ会社に入ってくれないか」と打診されました。
祖父にとっては、孫である私が会社を継ぐことがたっての願いでした。一方で私も、親代わりとして育ててくれた祖父への感謝の思いが強く、恩返しの気持ちで入社し、会社を継ぐ決意をしたのです。
その後28歳で社長に就任、力強い社員にも支えられ学びながら経営をしています。

仕事の意義と誇りを感じて

私が最も大切にしていることは、社員に「会社に行きたい」と思わせる、働きがいのある会社であり続けることです。
そのために必要なことの一つは、意義を感じながら仕事ができることです。当社の理念である「計量証明業を通じて、環境に対する安心と安全を人々に提供し、活力ある社会の発展と北海道の健やかなる未来を支えます」にあるように、地元である北海道や社会全体を支えるような仕事であることを実感してもらいたいと思います。
当社は大きく「水質環境」「大気環境」「土壌環境」「生活環境」の分野で調査を行っており、特に基幹業務は「水質検査」と「ばい煙測定」です。どちらも私達の生活を守るためには欠かせないものです。私達が、長年培ってきた技術力を基に、定量的なデータを専門家として責任を持って測定することで、環境改善のお手伝いをし、北海道に暮らす人々の健康を守ることが当社の使命です。
私も入社後、社長に就任する前に家屋調査の現場を経験させてもらい、フィールドワークの大変さや難しさも実感しました。調査や分析をしている時は成果が目に見えづらい部分もありますが、お客様に影響を与えたり、感謝される部分が大きく、意義や誇りを感じられる仕事です。そこを積極的に社員に伝えていきたいと思います。お客様の悩みと真剣に向き合い、ただ分析・測定の結果を出すだけではなく、その先の悩みをお客さまと共に解決していける企業を目指しています。

風通しのよい能動的な社風に

そしてもう一つ大切にしていることは、社員と近い距離感でいることです。普段から意識して各部署を回り、時には雑談をして、何かあった時にはすぐに気軽に話してもらえる関係性を作っています。
幹部社員や部長職の社員には、助言を求めて助けてもらうこともよくあります。多くの社員は私より年上ですし、中には私が幼少のころに自宅での新年会に来てくれていた古参社員もおり、いじられることもありますが(笑)、そのような関係を築くことで、何かミスをしたり、「おかしいな」と思った時にも言いやすく、大きな問題になりにくいと思います。
私と社員の関係だけでなく、社内全体で風通しのよい雰囲気を作っていきたいと考えています。特に当社は、それぞれ業務内容が大きく違い、時間帯もずれていたりするため、コミュニケーションが取りづらい部分もありますが、その垣根を少しずつ取り払うようにしています。
これまで、当社は祖父をはじめ力強いリーダーが引っ張っていく社風でしたが、まだ若い私が社長に就任したということもあり、これからは社員に積極的に意見を出してもらいながら行動していく社風にシフトしていきたいと考えています。
私を含め全員が能動的に考えながら、自発的に「社会のために」と考え行動し、貢献し続けられる会社を目指していきたいと思います。